外国人から見た日本のデザイン~日本とヨーロッパのデザインの違い その1~

日常生活で見たり、読んだり、使っているものが他国では稀なものとして捉えられることがあるかもしれない
と考えたことはありますか?
それはいつも接していて見慣れているため、“普通”に感じるのかもしれません。
こうしたことはパンフレットのようなものから建築のような大規模なものにいたるまで、あらゆるデザインに当てはまると思います。

日本への旅行者、在留者、日本のことが大好きな外国人が日本のデザインをどんな視点で見て感じているかを、日本でデザイナーとして就職したリトアニア人の私がこのブログに書いていきます。

SNSで日本のことを知ったステレオタイプの外国人が、実際に日本に来て初めて、それが事実なのだとわかります。
日本に長く滞在するほど色んなことが見えてくると思います。

外国人が日常で目にする日本の面白いデザインと感じる部分は主にこちらの4つです!

1.おもしろデザイン


上の写真は私たち外国人にとって、思わず見てしまうデザインの一例で、外国人旅行者が日本の名所やお土産屋さんを訪れた際に見かけるグッズです。

私たち外国人は、自分達の中で日本に対して色々なイメージを持っていて、こういったデザインが面白おかしく見えてしまうこともあれば、「なんじゃこりゃ?!」と仰天させられてしまうこともあります。

西洋諸国、日本に関わらず、デザインには美しいもの、伝統的なもの、オールドファッションなもの、と多くありますが、西洋で面白おかしいと感じるようなものはあまり見受けられません。
日本は何か独特なものを持っていると思います。

子供に人気のウンチ先生が表紙の本(うんこドリル)、おじさんがメイド服を着ているポスター、棚をガチャポンのおもちゃで埋め尽くしている人、など欧州にはあまりありません。
日本で特化している、こういったおもしろデザイングッズは目立つので惹きつけられます。

2.キャラクター化=「可愛い」デザイン


日本にはキャラクターが溢れています。
キャラクターが日本のデザインにどれだけ貢献しているかは一目瞭然です。
銀行や病院、区役所などの公共施設でさえ、大抵かわいいキャラクターがマスコットに使われています。
それから、日本ではパッケージやポスター、ロゴ、お薬手帳、銀行のキャッシュカードにいたるまで様々なものに、可愛いキャラクター化されたデザインが取り入れられています。

それに比べ、欧米では、大人向けに作られたもの、写真をデザインにしたシンプルなものが多いと感じます。

日本国民がいつも笑顔になれるのは、どこもかしこも、かわいいいもので溢れている、それが特殊な雰囲気を作り出しているからだと思います。
日本では、デザイナーがあらゆるものをかわいく、やさしくしようとしているように感じます。
日本ほど“かわいい”が溢れている国はないと言えるでしょう。

3.密集したごちゃごちゃデザイン


人口が多く、道幅も狭いため、街にはたくさんのポスター、電飾広告、街頭テレビなどが一箇所にひしめいています。
海外では稀なこの光景は、外国人が知らない日本の歴史が根本にあるからです。

広告は個々の団体や会社が作成しているため、色使いはもちろんばらばらになります。
ですから、こうした様々なスタイルでカラフルな広告が街に馴染んではいないのですが、それが非常に特殊な雰囲気を醸し出しているのです。

欧米では、ビルやレストランのスペースが広いので、それぞれの広告が何のために使われているのか、色やスタイルで明確に区別することができます。
日本では隅から隅まで広告に目が行ってしまい、まるでドンキホーテの店内みたいにワンダーランドにいるような感覚になります。

更に言えば、こうしたアンバランス感が日本のデザイン全般に少なからず、なんらかの形で出ているのだと思います。
日本のポスターやロゴ、テレビ番組などでは、欧米のデザイナーが遠慮しがちな色やモノをふんだんに使っています。
西洋で、文字のサイズや色使いがこれ程多く使用された広告が政治のポスターになっていることはありません。
テレビ番組を見ていても、日本では画面上に様々なオブジェクトとテキストが表示されます。

4.対照的なデザイン


おそらく、外国人が日本のデザインや文化を深く考えようとするとわからなくなってしまうかもしれません。
なぜ日本が好きなのかと聞かれたら、私はこう答えます。
「色々な物事が混在しているから」。

例えば、欧州で旅行した時などは、建築に使用されている色や建築様式や人の服装などがほとんど同じで、どこを歩いていても同じ街並みに見えました。
日本では歴史ある神社と近代的なブランドショップ、小さな伝統的な日本家屋と50階建ての高層ビル、など異世界が隣り合わせになっていてこの2つの相異なるコンセプトが、日本では両立しているということです。

この動画は私の言いたいことがよく表現されていると思います。

このように対照的な物事を毎日見たり感じたりできるので、日本の生活に飽きることはありません。
人々、言葉、そしてもちろんデザイン、すべてにおいてコントラストがあると思います。
外国人には日本のデザインは一箇所にぎゅっと凝縮されすぎているように感じるかもしれませんが、私には日本の伝統や華やかさがデザインによく表現されていると感じます。

私が普段目にする日本の建築物や商品、街には「強いミニマリズム」がモチーフに使われていると感じます。
例えば街に目を向けると、丸の内や大手町などシンプルで、色味を抑えたスッキリとしたデザインが見受けられます。
その一方で、原宿の竹下通りなどを歩くと色々な色や奇抜なデザインが見られます。
この対照的な色やデザインの使い方が全くの別世界にいるような雰囲気を醸し出していると思います。

まとめ


日本が特別だということは外国人誰しもが認識していると思います。
しかし、日本のデザインをより深く理解するためには、デザインに対しての見方、日本文化に対する知識を深める必要があります。
今後、更に詳しく日米欧州のデザインの違いについて更新していきます。

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